スカイツリーの竣工年はいつ?開業日との違いと大林組の建設秘話を解説
東京のランドマークとして国内外から多くの観光客を集める東京スカイツリー。現在、電波塔としての役割はもちろん、巨大複合都市「東京スカイツリータウン」の中核として揺るぎない存在感を放っています。しかし、その「完成の瞬間」について正確な日付や経緯を把握している人は意外と多くありません。
「スカイツリーが完成したのは何年なのか」「一般開放された開業日と何が違うのか」、さらには「建設中に発生した東日本大震災によって工事が遅延した真相」など、知られざる舞台裏には日本の最先端建築技術と現場関係者の熱いドラマが存在します。本稿では、当時の一次資料や施工データをもとに、スカイツリーの竣工年にまつわる歴史と現場の足跡を徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:東京スカイツリーの竣工年は2012年(2012年2月29日)であり、一般開業日の同年5月22日とは約3ヶ月の開きがある。
- 要点2:着工は2008年7月14日。施工を担当した大林組を中心とするチームが、約3年8ヶ月(1,325日)の工期と総事業費約650億円を投じて完成させた。
- 要点3:東日本大震災の影響で当初の2011年12月竣工予定から約2ヶ月の遅延が発生したものの、徹底した安全点検を経て無事故で引き渡しを完了した。
【結論】東京スカイツリーの竣工年は2012年|開業日との決定的な違いを解説
東京スカイツリーの竣工日は2012年(平成24年)2月29日です。カレンダー上でも珍しい「うるう日」に、施工を担当した大林組から事業主体である東武タワースカイツリー株式会社へと建物が正式に引き渡されました。
検索時によく混同されるのが「竣工日」と「開業日」の違いです。建築業界における「竣工(しゅんこう)」とは、すべての工事が完了し、検査を経て施主に建物が引き渡されるタイミングを指します。これに対して「開業」は、一般の来場者を迎え入れて商業施設や展望台の営業を開始する日を指します。
スカイツリーの場合、開業日は2012年5月22日でした。竣工から開業までの約3ヶ月弱の間、展望台内部の内装工事やオペレーション訓練、エレベーターの実負荷試験、商業施設「東京ソラマチ」のテナント搬入など、安全かつ円滑にグランドオープンを迎えるための綿密な準備が進められていました。

着工から完成までの全歴史年表|2008年スタートから竣工までの3年8ヶ月
東京スカイツリーの構想は、東京都心部で超高層ビルが林立したことによる電波障害を解消し、地上デジタル放送への完全移行を盤石にするための新タワー建設プロジェクトから始まりました。プロジェクトの主導権を握った東武鉄道が、旧押上操車場跡地の有効活用として名乗りを上げ、歴史的な大事業がスタートしました。
計画の立ち上げから竣工に至るまでの歩みは以下の通りです。
- 2003年12月:NHKと民放キー局5社が「600メートル級の新タワー」建設を要望。
- 2006年3月:建設候補地として「墨田・台東エリア(押上・業平橋地区)」が最終決定。
- 2008年7月14日:起工式が執り行われ、東京スカイツリーが正式に着工。
- 2009年10月16日:計画高さを当初の約610mから「634m」へ引き上げると公式発表。
- 2010年3月29日:高さ338mに到達し、東京タワー(333m)を抜いて日本一の高さへ。
- 2011年3月1日:世界最高峰の自立式電波塔となる高さ600mを突破。
- 2011年3月18日:東日本大震災の発生直後、最頂部である高さ634mに到達。
- 2012年2月29日:タワー本体および付属街区の工事が完了し、公式に竣工。
- 2012年5月22日:東京スカイツリーおよび東京スカイツリータウンがグランドオープン。
着工から竣工に至る建設期間は1,325日間(約3年8ヶ月)。延べ約58万人の作業員が現場に携わり、日本の建築史上類を見ない過密スケジュールかつ超高所での難工事が完遂されました。
なぜ予定より遅れたのか?東日本大震災の影響と大林組が下した安全決断
インターネット上の検索やコミュニティでは「スカイツリーの工事は途中で遅延したのか?」という疑問がしばしば話題に上ります。結論から言えば、当初予定されていた2011年12月の竣工から約2ヶ月間のスケジュール延期がありました。
その直接の要因となったのが、2011年3月11日に発生した東日本大震災です。当時、スカイツリーは高さ625m付近まで組み上がっており、最頂部のゲイン塔をリフトアップしている最中でした。巨大な揺れに見舞われたものの、最新の耐震設計と伝統的な五重塔の構造を応用した「心柱制振」システムが機能し、タワー本体の構造体にはボルト1本の破断すら生じず、作業員全員の無事が確認されました。
しかし、震災直後の混乱により全国的な建築資材の供給網が寸断。さらに、万全を期すためにタワー全体の接合部や部材に対する非破壊検査、エレベーター設備の再点検を徹底的に実施した結果、施工を担当した大林組と施主側は竣工時期を2012年2月末へ繰り下げる決断を下しました。
現場の安全確認を最優先したこの英断により、工期を約2ヶ月スライドさせながらも、一般開業日である2012年5月22日のオープン予定日は1日も遅らせることなく死守されました。

【データ比較】スカイツリーvs東京タワー|竣工年・工費・高さを完全対比
昭和を象徴する電波塔「東京タワー」と、平成に誕生した「東京スカイツリー」。日本の二大タワーのスペックや背景の違いを比較データで整理しました。
| 項目 | 東京スカイツリー | 東京タワー | 編集部の比較分析 |
|---|---|---|---|
| 竣工年月 | 2012年2月29日 | 1958年12月23日 | 時代を跨ぐ53年余りの差。日本の復興期と情報化時代の象徴。 |
| 高さ | 634m(自立式電波塔世界一) | 332.9m(完成当時世界一) | 東京スカイツリーは東京タワーのほぼ2倍の高さを誇る。 |
| 建設期間 | 約3年8ヶ月(1,325日) | 約1年3ヶ月(543日) | 規模と耐震安全基準の高度化によりスカイツリーは慎重な工期を設定。 |
| 総工費・事業費 | 約650億円(塔体約400億円) | 約30億円(当時価格) | 周辺の商業街区(ソラマチ等)を含めた大規模再開発事業。 |
| 主要施工会社 | 大林組 | 竹中工務店 | 日本のスーパーゼネコンがそれぞれの時代の持てる最高技術を結集。 |
施工を担当した大林組の現場力|心柱制振と「高さ634m」に込められた意味
地上600メートルを超える高所での建設は、日本の土木・建築技術にとっても未知の領域でした。施工を一手に引き受けた大林組は、風や地震による揺れを極限まで抑え込むため、古代建築である「法隆寺の五重塔」に着想を得た「心柱制振(しんばしらせいしん)」を採用しました。
タワー中央に独立した鉄筋コンクリート造の円筒(心柱)を配置し、外側の鉄骨トラス構造とオイルダンパーで連結することで、地震時の揺れを最大50%低減させる構造です。この設計思想が、建設中の巨大地震において絶大な安全性を証明することとなりました。
また、高さ「634m」という数値の決定にも深い歴史的背景が存在します。当初は世界一の電波塔を目指して約610mで計画されていましたが、中国の広州塔(600m)などの出現を受け、自立式電波塔として名実ともに世界一の座を揺るぎないものにするため再検討が行われました。
その際、武蔵国(むさしのくに)という旧国名にちなんだ語呂合わせである「む・さ・し(634)」が採用されました。東京・埼玉・神奈川の一部を含む広大なエリアの歴史と景観を見守る塔として、覚えやすく愛着の持てる数字が選ばれたのです。

【実態検証】ネット上の誤解を解く|竣工・開業・電波塔移管の知られざる裏側
スカイツリーの歴史を調べる過程で、ネット上にはいくつかの誤解や混同が見受けられます。代表的な3つの疑問を検証します。
誤解1:「スカイツリーの完成は2011年だった?」
タワーが高さ634mに達したのが2011年3月だったため、「2011年完成」と記憶しているケースがあります。しかし、最高到達点に達した後のアンテナ設置、内装設備工事、外装仕上げ、各種性能検査を経て施主に引き渡されたのは2012年2月29日です。建築基準法上の正式な完成年は2012年となります。
誤解2:「開業と同時にすべてのテレビ電波がスカイツリーから送信された?」
2012年5月22日に展望台や商業施設が開業しましたが、地上デジタル放送の親局送信が東京タワーからスカイツリーへと完全に移行したのは2013年5月31日でした。約1年間の試験電波発射や各家庭の受信アンテナ方向調整期間を経て、完全移管が実施されました。
誤解3:「東武鉄道単独の所有物である?」
事業主体は東武鉄道が全額出資する東武タワースカイツリー株式会社ですが、事業の立ち上げにあたってはNHKや在京民放キー局、地元墨田区との強固な協力体制のもとでプロジェクトが推進されました。地域活性化と広域防災拠点としての公共的性格を兼ね備えています。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
2012年の竣工から時を経て、スカイツリーは観光地としても円熟期を迎えています。訪問を検討する際の判断基準をまとめました。
- 訪れるのをおすすめできる人:
- 世界最高峰の構造美や、大林組の心柱技術など「建築構造の凄み」を間近で体感したい人
- 地上450mの天望回廊から関東平野一円を見渡す圧倒的なパノラマ眺望を楽しみたい人
- 東京ソラマチでのショッピングや水族館・プラネタリウムなど、複合的なエンタメを1箇所で満喫したい人
- 訪問に際して慎重な検討・準備が必要な人:
- 天候による視界不良を避けたい人(曇天や濃霧の日は視界が著しく遮られるため、リアルタイムの天候・ライブカメラ映像を確認してからチケットを購入するのが得策)
- 極度の高所恐怖症がある人(ガラス床など足元が透過するスポットがあるため、事前にフロアマップを確認しておくことを推奨)
【スカイツリー 竣工年】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:東京スカイツリーの竣工年月日はいつですか?
A1:正式な竣工日は2012年(平成24年)2月29日です。施工者の大林組から施主の東武タワースカイツリー社へ引き渡しが行われました。
Q2:スカイツリーの着工日と建設期間はどれくらいですか?
A2:着工日は2008年7月14日です。竣工までの建設期間は約3年8ヶ月(1,325日間)でした。
Q3:なぜ完成が予定より遅れたのですか?
A3:2011年3月11日の東日本大震災に伴い、資材調達の遅れや構造物の精密な安全点検を実施したためです。当初予定の2011年12月から約2ヶ月延期されましたが、2012年5月22日の開業日には影響を与えませんでした。
Q4:2026年時点でスカイツリーは開業何周年ですか?
A4:2012年5月22日に開業したため、2026年5月22日で開業14周年を迎えます。
Q5:東京タワーとスカイツリーの竣工年の違いは何年ですか?
A5:東京タワーは1958年(昭和33年)12月23日竣工、スカイツリーは2012年(平成24年)2月29日竣工であり、約53年2ヶ月の差があります。
まとめ:2026年に開業14周年を迎えるスカイツリーが遺した建築の金字塔
東京スカイツリーの竣工年である2012年(2012年2月29日)は、日本の建築技術が世界にその底力を証明した記念碑的な節目でした。2008年の着工以来、東日本大震災という未曾有の国難を乗り越え、約3年8ヶ月の工期を経て無事故で完成に至った背景には、施工を担った大林組をはじめとする技術者たちの徹底した安全意識がありました。
2026年に開業14周年を迎えた今もなお、高さ634mの偉容は色褪せることなく、東京の空に確固たる存在感を放ち続けています。「いつ完成したのか」「どのような試練を経て建ったのか」という歴史的背景を知ることで、見上げるスカイツリーの景色はより一層深みを増すはずです。 (出典: スカイツリー 竣工年(Yahoo!ニュース))