クロテッドクリームとは?生クリームやバターとの違いと本場の味を徹底解説
アフタヌーンティーの人気が定着した日本において、スコーンの最高の相棒として存在感を放つ「クロテッドクリーム」。濃厚なコクを持ちながらも後味は軽やかという独特の食感に魅了される人が増える一方、「生クリームやバターと何が違うのか」「どこで購入できるのか」と疑問を持つ声も少なくありません。
英国で数百年にわたり受け継がれてきたこの伝統乳製品には、乳脂肪分の厳格な基準と職人技とも呼べる製法が存在します。2026年現在の国内流通事情や主要メーカーの比較、さらには本場イギリスの伝統的な食べ方の流儀まで、食の専門的見地から徹底的に紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:クロテッドクリームは乳脂肪分約55〜60%で、生クリーム(約35〜48%)とバター(80%以上)のちょうど中間に位置する英国伝統クリーム。
- 要点2:カルディや成城石井、デパ地下等で入手可能であり、英国直輸入の「ロダス」や国産の雄「中沢乳業」が二大定番。
- 要点3:開封後の賞味期限は2〜3日と極めて繊細だが、代用テクニックや正しい冷凍・保存法を知れば日常でも贅沢なティータイムが実現できる。
【基本解説】クロテッドクリームとは?英国伝統の味と特徴の秘密
クロテッドクリーム(Clotted Cream)とは、イギリス南西部のデヴォン州およびコーンウォール州で生まれた伝統的な乳製品です。全脂牛乳を低温で長時間じっくりと加熱し、表面に浮き出た濃厚なクリームの層を集めて冷却・熟成させる製法で作られます。
最大の味の特徴は、「バターのような濃厚なコク」と「生クリームのようなフレッシュでミルキーな口溶け」の共存です。砂糖などの甘味料は一切加えられていませんが、牛乳本来が持つ自然な甘みとほのかなナッツのような香ばしさが口いっぱいに広がります。
表面にできる黄色みを帯びた特有の膜は「クラスト(Crust)」と呼ばれ、本場英国ではこのクラストこそが最高品質の証とされています。アフタヌーンティーにおける「クリームティー(紅茶とスコーン、クロテッドクリーム、ジャムのセット)」には欠かせない至高のピースです。

【徹底比較】生クリームやバターとの決定的な違いと脂質・カロリー
乳製品売り場で迷いやすい「生クリーム」「クロテッドクリーム」「バター」の違いは、主に「乳脂肪分の割合」と「製造工程」にあります。日本の乳等省令および英国の食品規格に基づき、その違いを整理しました。
| 項目 | 生クリーム(純生) | クロテッドクリーム | 有塩・無塩バター |
|---|---|---|---|
| 乳脂肪分の規格 | 約35%〜48% | 約55%〜63%(英国規格は55%以上) | 80.0%以上 |
| 100gあたりのカロリー | 約400〜430 kcal | 約550〜580 kcal | 約700〜750 kcal |
| 製造工程・状態 | 生乳から遠心分離した液状乳脂肪 | 加熱濃縮して浮き出た脂肪分を冷却凝固 | クリームを激しく攪拌(チャーニング)して練り固めたもの |
| 食感・口溶けの特徴 | 軽やかで滑らか、泡立てが必要 | 固形とクリームの中間、スプーンで掬える | 常温で柔らかく、冷やすと硬い |
| 編集部のテイスティング評価 | 水分が多くあっさり、デザートの引き立て役 | 舌の上でスーッと溶け、重厚な乳の旨味が残る | 油分が強く、塩気やコクがダイレクト |
数値を見ても明らかなように、クロテッドクリームはバターほど重くなく、生クリームよりも圧倒的な濃度を持ちます。パンやスコーンに塗った際、体温でふわりとほどける独特のテクスチャーは、この絶妙な脂肪分バランスが生み出しています。
【本場の作法】スコーンに合う絶品の食べ方と「英国論争」のリアル
クロテッドクリームの魅力を100%引き出すなら、温めたスコーンと果実味豊かなストロベリージャムを合わせるのが王道です。しかし、英国では数十年にわたり熱狂的な論争が続いています。
それが「デヴォン式(Devon method)」と「コーンウォール式(Cornish method)」の順序争いです。
- デヴォン式:スコーンを横半分に割り、まず「クロテッドクリーム」をたっぷり塗り、その上に「ジャム」を乗せる方式。クリームをバターのように土台として捉える。
- コーンウォール式:スコーンにまず「ジャム」を塗り、その上に「クロテッドクリーム」をこんもりと乗せる方式。故エリザベス女王が好んだ流儀としても知られる。
日本国内のティーサロンでも意見が分かれますが、英国王立化学会や現地シェフの証言によると「味覚の伝わり方」が異なります。ジャムを先に乗せると最初にベリーの酸味が舌に触れ、後から濃厚なミルク感が包み込みます。逆にクリームを先に乗せると、濃厚な乳脂肪のコクをベースに華やかな果実味が引き立ちます。ぜひ両方を試して自分好みのマリアージュを見つけてみてください。

【実態検証】どこで買える?成城石井・カルディ・中沢乳業の入手ルート
「近所のスーパーで見当たらない」という声が多いクロテッドクリームですが、2026年現在は取扱店舗が明確に分かれています。
1. 成城石井・紀ノ国屋・明治屋(高級スーパー)
最も確実に入手できるのが成城石井などの輸入食品に強い高級スーパーです。英国コーンウォール州の老舗「ロダス(Rodda's)」のコーニッシュ・クロテッドクリーム(28gポーションや113gカップ)や、国産乳業のトップブランドである「中沢乳業(NAKAZAWA)」のクロテッドクリーム(100g)が常時冷蔵・冷凍コーナーに並んでいます。
2. カルディコーヒーファーム(KALDI)
カルディでは、主に冷凍コーナーに配置されているケースが大半です。ロダスの個包装タイプが取り扱われており、食べる前に冷蔵庫で数時間かけて解凍することで、本場そのままのフレッシュなクラストを楽しむことができます。店舗によっては常設していない場合もあるため、冷凍デザート棚をチェックするのがコツです。
3. デパ地下・英国展・オンライン通販
三越伊勢丹や阪急百貨店などの英国フェア、またはAmazon、楽天市場、製菓材料専門の富澤商店(TOMIZ)やcottaでも通年購入が可能です。まとめ買いの際は冷凍品を選ぶと鮮度を長く保てます。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|賞味期限と保存の落とし穴
クロテッドクリームを扱う上で、多くの人が直面するトラブルが「賞味期限の短さ」と「保存による品質劣化」です。
未開封の状態であれば製造日から数週間〜数ヶ月持つ製品もありますが、一度開封したチルド品は冷蔵保管で「2〜3日以内」に使い切るのが鉄則です。防腐剤や保存料を含まない純粋な乳製品であるため、空気に触れると酸化が進みやすく、カビの発生リスクも高まります。
また、「余ったからそのまま冷凍庫へ入れれば良い」という判断には注意が必要です。一度解凍されたクロテッドクリームを再冷凍すると、乳化構造が破壊されて水分と油脂が分離し、ボロボロとした食感になってしまいます。家庭で冷凍保存する場合は、小分けにしてラップで密閉し、解凍時は電子レンジを使わず必ず冷蔵庫内でゆっくり戻してください。

【緊急時の裏技】家にある材料で作る代用レシピと向いている人の判断基準
「今すぐスコーンを食べたいけれど、クロテッドクリームが手元にない」という場合、家庭にある身近な材料で高い再現度を誇る代用クリームを作ることが可能です。
最も完成度が高い配合は、「生クリーム(乳脂肪分40%以上)50ml」と「マスカルポーネチーズ 100g」を混ぜ合わせる手法です。マスカルポーネの濃厚な乳の甘みと生クリームの滑らかさが合わさり、クロテッドクリーム特有の「乳脂肪分60%近いコクと質感」を驚くほど忠実に再現できます。レモン汁を数滴加えると、後味のキレがさらに本物に近づきます。
【プロの結論】本物を味わうべき人・代用で十分な人の判断基準
食文化の文脈とコストパフォーマンスの観点から、どのような選択をすべきかの明確な判断基準を提示します。
- 本物(ロダス・中沢乳業など)を選ぶべき人:
- 本格的な英国式アフタヌーンティーの文化体験を重視する人
- 特有の黄色い膜「クラスト」の香ばしさと滑らかな口溶けを堪能したい人
- 特別な日のティータイムやおもてなしスイーツを用意したい人
- 代用レシピや水切りヨーグルト等で十分な人:
- 日常の朝食でパンやパンケーキに日常使いしたい人(コスパ重視)
- 脂質やカロリーをできる限り抑えたいヘルシー志向の人
- 1〜2回分の少量だけをその場ですぐに使いたい人
【クロテッドクリームとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:スコーン以外に美味しい食べ方はありますか?
A1:トーストしたバゲットやパンケーキに塗るほか、温かいアップルパイや濃厚なガトーショコラに添えるのが絶品です。また、英国ではカレーやシチューの仕上げに少量落としてコクを出す隠し味としても重宝されています。
Q2:ロダス(英国産)と中沢乳業(国産)の違いは何ですか?
A2:ロダスは伝統製法による「クラスト(黄色い膜)」があり、ミルキーさと野性味あるコクが際立ちます。一方の中沢乳業は日本人の嗜好に合わせ、滑らかで雑味がなく、軽やかな後味に仕上げられているのが特徴です。
Q3:生クリームを泡立てすぎるとクロテッドクリームになりますか?
A3:なりません。生クリームを激しく泡立て続けると、脂肪球がぶつかり合って水分(バターミルク)と固形分に分かれ「手作りバター」になります。クロテッドクリームは熱を加えて脂肪分を凝縮させる別製法です。
まとめ:本場英国の贅沢な味わいを日常のティータイムに取り入れるために
クロテッドクリームは、単なる乳製品の枠を超え、英国の歴史とティーカルチャーが凝縮された贅沢な嗜好品です。生クリームともバターとも異なるその唯一無二の味わいは、いつもの紅茶や焼き菓子を格段にランクアップさせてくれます。
成城石井やカルディなどの身近なショップを活用し、まずは王道のスコーンとともに本場の美味しさを体験してみてください。保存期間や扱い方のコツさえ押さえれば、自宅のリビングで上質で優雅なティータイムを心ゆくまで堪能できるはずです。 (出典: クロテッド クリーム と は(Yahoo!ニュース))