シュールストレミングの臭さ数値は8070Au!くさや比較と真相
北欧スウェーデンが生んだ「世界一臭い缶詰」として世界中にその名を轟かせるシュールストレミング。バラエティ番組や動画配信の罰ゲームとして目にする機会が多いものの、その臭気が科学的にどれほどのレベルなのか、客観的な数値として把握している人は決して多くありません。
悪臭の度合いを測定する専用機器において、シュールストレミングは日本の伝統的発酵食品である「くさや」の約6.4倍、日常的に食卓へ並ぶ「納豆」の約18倍という桁違いの数値を記録しています。本稿では、臭気測定器「アラバスター」による客観的データ比較をはじめ、強烈な異臭が生み出される生化学的メカニズム、航空会社が持ち込みを厳禁とする保安上の理由、そして本場スウェーデンに伝わる伝統的な食文化としての真実を徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:シュールストレミングの臭気数値は8,070 Auを記録し、くさや(焼き立て1,267 Au)の約6.4倍、納豆(452 Au)の約18倍におよぶ世界トップクラスの数値。
- 要点2:缶詰でありながら加熱殺菌を行わず、缶の中で生きた嫌気性細菌が発酵を継続するため、硫化水素や酪酸などの混合ガスで缶がパンパンに膨張する。
- 要点3:気圧低下による破裂リスクから国際航空路線で危険物・持ち込み禁止に指定されており、開封時は飛び散りを防ぐ水中開缶が鉄則となる。
【決定版】シュールストレミングの臭さ数値「8070Au」の衝撃実態
世界一臭い食べ物とされるシュールストレミングの臭気強度を測定する際、国際的・学術的によく引用される指標が、臭気測定器「アラバスター(Alabaster)」による測定値(単位:Au)です。
測定データによると、開缶直後のシュールストレミングが叩き出した数値は8,070 Au。日本の代表的な発酵臭食品である「焼き立てのくさや」が1,267 Auであることと比較すると、実におよそ6.4倍に達します。日常的に親しまれている納豆(452 Au)や、フルーツの王様であり強烈な芳香を放つドリアン(490 Au)と比較しても、その差は歴然です。
アラバスター値における8,000台という数値は、通常の食品が放つ芳香・臭気レベルを遥かに逸脱しており、人間が本能的に「腐敗」や「危険」を感知するレベルの揮発性化合物が超高濃度で凝縮されていることを示しています。テレビや動画配信の企画で見られる「嗅いだ瞬間に悶絶する」「嘔吐感を催す」といった激しいリアクションは、決して誇張や演出ではなく、科学的数値に裏打ちされた生物学的な生理反応なのです。

【数値一覧】世界一臭い食べ物ランキング|納豆・ドリアン・くさや徹底比較
世界各地には、その土地の風土や保存の知恵から生まれた「強烈な臭気を持つ伝統発酵食」が存在します。公称測定データおよび各種検証実験に基づく臭気測定器(アラバスター)の数値をランキング形式で整理しました。
| 順位 / 食品名 | 臭気数値(Au) | 主な原産国・特徴 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 1位:シュールストレミング | 8,070 Au | スウェーデン(塩漬けニシンの発酵缶詰) | 群を抜く世界最高峰の数値。腐卵臭・下水臭・酸臭が複雑に混ざり合う。 |
| 2位:ホンオフェ | 6,230 Au | 韓国(ガンギエイの発酵刺身) | 高濃度のアンモニア臭が鼻腔を直撃。涙が止まらなくなる刺激臭が特徴。 |
| 3位:エピキュアーチーズ | 1,870 Au | ニュージーランド(缶詰熟成チーズ) | 発酵バターと濃厚な汗臭が凝縮された特異な乳製品系発酵臭。 |
| 4位:キビヤック | 1,370 Au | カナダ・グリーンランド(海鳥をアザラシ内で発酵) | 極北の伝統保存食。独特の野性味あふれる熟成肉臭と酸味臭。 |
| 5位:くさや(焼き立て) | 1,267 Au | 日本(伊豆諸島のくさや液干物) | 加熱により臭気成分が揮発し数値が急上昇(生状態は約447 Au)。 |
| 6位:ドリアン | 490 Au | 東南アジア(果物の王様) | 硫黄系化合物とフルーティーな甘い芳香が交錯する強烈な芳香。 |
| 7位:納豆 | 452 Au | 日本(大豆の発酵食品) | 日本人の国民食だが、外国人にとってはアンモニアと蒸れた藁の臭い。 |
数値を比較すると、韓国のガンギエイ料理「ホンオフェ(6,230 Au)」が2位に迫るものの、シュールストレミングの8,070 Auは唯一無二の独走状態にあります。日本のくさや(生:447 Au / 焼き:1,267 Au)や納豆(452 Au)は、日常の感覚では極めて強い匂いに感じられますが、シュールストレミングの数値を前にすると、その圧倒的なスケール感が浮き彫りになります。
なぜここまで臭いのか?缶内で発酵し続ける科学的メカニズム
シュールストレミングがこれほど凄まじい悪臭を放つ理由は、製造工程における「非加熱殺菌」と「缶内発酵」という特殊な構造にあります。
通常の缶詰製品は、内容物を詰めて密封した後に高圧蒸気などで加熱殺菌を行い、微生物を死滅させて長期保存を可能にします。しかしシュールストレミングは、春にバルト海で獲れた新鮮なバルトニシン(ストロミング)を薄い塩水に漬け込んだ後、加熱殺菌を一切施さずにそのまま缶へ密封します。
この結果、缶の内部では好塩性の嫌気性細菌(主にHaloanaerobium属などの細菌)が生きたまま増殖を続け、魚肉のタンパク質を激しく分解・発酵させます。この生化学反応により、極めて強烈な臭気ガス成分が生成されます。
- 硫化水素(温泉卵・腐卵臭):タンパク質中の硫黄を含むアミノ酸が分解されて発生。
- メチルメルカプタン(腐った玉ねぎ臭):野菜の腐敗などでも生じる強烈な刺激臭。
- 酪酸(銀杏・古靴下の汗臭):脂質の分解によって生じる重たく不快な酸臭。
- プロピオン酸・酢酸(刺激的な酸臭):鼻腔を刺すような鋭い刺激性の酸味臭。
これらの気体成分が逃げ場のない缶内に充満するため、未開封の缶であっても内部気圧が限界まで高まり、缶の上面や底面がドーム状に丸く膨らみ上がります。「缶が変形している=腐敗事故」ではなく、シュールストレミングにおいては「缶がパンパンに膨らんでいることこそが熟成の証」とされる稀有な食品なのです。

【現場検証】飛行機持ち込み禁止の真相と水中で開けるべき絶対ルール
シュールストレミングを取り扱う際、絶対に知っておくべき現実的なリスクが存在します。それが「航空機への持ち込み厳禁規定」と「開缶事故による物的損害」です。
スカンジナビア航空(SAS)、エールフランス、ブリティッシュ・エアウェイズ、ルフトハンザをはじめとする主要航空会社では、シュールストレミングの「機内持ち込み」および「受託手荷物(預け入れ)」の双方が明確に禁止されています。
この規制は単に「臭いから迷惑」という理由だけではありません。高高度を飛行する航空機の貨物室や客室内で気圧が低下した際、発酵ガスでパンパンに膨張した缶が内圧に耐えきれず爆発(破裂)する危険性があるためです。航空保安上、文字通りの「危険物・爆発物」と同等のリスク要因として扱われています。
また、実際に購入して開封する際には、室内で通常通り缶切りを入れる行為は自殺行為に等しいと言えます。高圧ガスとともに、発酵した魚汁が周囲数メートルに勢いよく噴霧状に飛び散るためです。
衣服や家具、壁紙紙に付着した場合、繊維の奥まで硫化物や酪酸が染み込み、通常の洗濯やファブリーズ等の消臭剤では臭気を除去できません。賃貸住宅であればクロス全張り替えや特殊清掃が必要となり、数十万円単位の原状回復費用が発生した事例も報告されています。
そのため、開封時は「バケツなどに水を深く張り、缶全体を水中に沈めた状態で缶切りを差し込む」という水中開缶(すいちゅうかいかん)が絶対の基本ルールとなります。水中でガス抜きを行えば、悪臭を含んだ液体の飛散を完全にシャットアウトできます。さらに、作業は必ず風通しの良い屋外で、風下に人がいないことを確認して行う必要があります。
伝統食としての真価|本場スウェーデンの正しい食べ方と味覚構造
YouTubeなどのネットメディアでは、開けたての缶から生の魚肉をフォークでつまみ、そのまま丸ごと口に入れてえずく様子が定番化しています。しかし、これは現地スウェーデンの人々からすれば「寿司のワサビだけをスプーンで山盛り食べて悶絶している」ような愚行に映ります。
スウェーデン北部において、シュールストレミングは毎年8月下旬の「シュールストレミングの解禁日(Surströmmingspremiären)」を祝う、かけがえのない晩夏の伝統高級グルメです。現地では、ニシンの身をそのまま食べることは決してありません。
本場の正しい食べ方は、「トゥンブロード(Tunnbröd)」と呼ばれる北欧の伝統的な薄焼きパン生地を用いたサンドイッチスタイル(シュルストレミングス・クレンマ)が基本です。
- 薄焼きパンにたっぷりの有塩バターを塗り広げる。
- 茹でてスライスした「マンデルポテト(アーモンドジャガイモ)」を敷き詰める。
- 皮と骨を取り除き、細かく刻んだシュールストレミングの身を適量(少量)のせる。
- 細かくみじん切りにした赤玉ねぎと、ディル(香草)を散らす。
- 濃厚なサワークリーム(グレッディル)またはスウェーデン風フレッシュチーズを添えて包み込む。
この食べ方によって、ニシンの持つ強烈な塩気と凝縮されたアミノ酸の旨味が、ジャガイモの甘み、バターやサワークリームの乳脂肪分、赤玉ねぎの爽快感によって絶妙に中和・調和されます。口に運ぶと、アンチョビペーストを何倍も濃厚にしたような重厚な旨味が広がり、アルコール度数の高い蒸留酒「アクアビット(スナップス)」や辛口ビールとの相性は抜群です。

【プロの結論】異文化食の心理的受容と挑戦すべき人・避けるべき人の判断基準
日本におけるシュールストレミングの受容の歴史を振り返ると、平成から令和にかけて「ゲテモノ」「罰ゲーム専用ツール」として消費されてきた側面が否めません。しかし、背景にある塩の欠乏した寒冷地でタンパク質を保存するという歴史的知恵や、発酵工学的なメカニズムに目を向けることで、単なるリアクション芸を超えた食文化の深遠さを理解することができます。
シュールストレミングに挑戦してみたいと考えている方に向けて、後悔しないための明確な判断基準を提示します。
シュールストレミングの体験に向いている人
- 発酵食品の文化・歴史に強い探求心がある人:ブルーチーズ、くさや、鮒寿司などの強い発酵臭に慣れ親しんでおり、その先にあるアミノ酸の旨味を楽しめる味覚の持ち主。
- 徹底した屋外調理環境と道具を準備できる人:周囲に民家がない広い屋外スペースを確保でき、バケツでの水中開缶や使い捨て手袋・合羽などの完全防備を怠らない計画性のある人。
- 本場のレシピ(薄焼きパン・サワークリーム・玉ねぎ等)を揃えられる人:単品食いではなく、本来のマリアージュを再現して正当に味わいたい人。
絶対に購入・挑戦を避けるべき人
- 集合住宅(マンション・アパート)や室内で開けようとしている人:臭気成分が換気ダクトや共用部に漏れ出し、住民トラブルや損害賠償問題に発展するリスクが極めて高い。
- 単なる飲み会の一発芸や罰ゲーム目的の人:飛散した液体による衣服・家具の汚損や、後片付け・廃棄ゴミ(密閉しても異臭が漏れる缶の処理)に耐えられず必ず後悔します。
- 魚介の生臭さや硫黄臭に極端に弱い人:生理的な拒絶反応により、一口も飲み込めずに食材を無駄にしてしまう可能性が高い。
【シュールストレミング 臭さ 数値】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:シュールストレミングは日本国内でも合法的に購入できますか?
A1:はい、大手通販サイト(Amazonや楽天市場など)や一部の輸入食品店で正規に購入可能です。ただし、缶が発酵し続けているため「要冷蔵(常温放置厳禁)」でクール便配送されます。保管時は必ず冷蔵庫のチルド室に入れ、衝撃を与えないよう注意してください。
Q2:開けた後の缶や残ったニシンはどのようにゴミ出しすればいいですか?
A2:通常のゴミ袋に入れて放置すると、数時間で悪臭が漏れ出しハエやカラスが集まる原因になります。残った身や缶は、ジッパー付きの厚手密閉ポリ袋(ジップロック等)に重曹や消臭剤とともに入れ、2重・3重に密封した上で、自治体の回収ルール(不燃ゴミ・生ゴミ)に合わせて収集当日の直前に出すのが鉄則です。
Q3:万が一、手や服にニシンの汁がついてしまった場合の対処法は?
A3:水や通常のハンドソープだけでは脂溶性の臭気成分が落ちません。まず台所用の中性洗剤で油分を分解し、その後「クエン酸水(酸性臭には重曹水、魚の生臭さであるアミン系には酸が有効)」で中和洗浄してください。手についた臭気はステンレスソープやレモン汁で擦るのも効果的です。ただし衣服に深く染み込んだ場合は完全除去が難しいため、作業時は汚れてもよい服やレインコートを着用してください。
まとめ:科学的データが明かす臭気と伝統食の奥深さ
シュールストレミングの臭気測定値8,070 Auという数字は、くさやの約6.4倍、納豆の約18倍という、地球上の食品の中で最高峰の臭さを示す動かぬ科学的証拠です。その凄まじい匂いは、非加熱のまま缶内で発酵を継続させるという独特の製法と、極限の環境で生き延びる嫌気性細菌の営みが生み出した奇跡の産物でもあります。
飛行機への持ち込み禁止や水中開缶といった取り扱い上の厳格なルールを守り、本場スウェーデンの伝統的な作法に倣ってジャガイモやサワークリームとともに味わうことで、単なる「悪臭の塊」ではない、重厚な発酵文化の奥深さを真に体験することができるでしょう。 (出典: シュールストレミング 臭さ 数値(Yahoo!ニュース))